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第1回 住まいと環境:200年住宅とは?
「ECO」という言葉が日常的に使われるようになった今、住まい選びに際しても、環境に配慮した暮らし方のできる住宅が注目を浴びています。本コラムでは、そうした環境に関するトピックスを紹介し、住まい選びに役立つ情報をお届けしていきます。
「200年住宅・環境」
住まい選びにも環境への視点が求められる現在、環境面を配慮した住宅として「200年住宅」というキーワードが注目されています。
「200年住宅」とは、現在平均して約30年で建て替えられている日本の住宅の寿命を200年まで伸ばすことで、住宅の価値を高めるとともに、建設廃棄物の発生抑制や建材の消費量低減など各種の環境対策にも役立てようとする構想のことです。これは、福田康夫首相が以前から提言していたもので、現在は国土交通省なども、「200年住宅」普及に向けた技術開発や啓発活動などの施策展開を本格化する方針を打ち出しています。
長寿国の住宅は短命?
現在、日本人の平均寿命は世界一と言われています。確かに周りを見渡しても元気なお年寄りが多い長寿国であることは納得できる現状ですが、そんな長寿国と反比例するように短命なのが住宅だといえます。
現在、日本の住まいは30年で建替えが必要といわれますが、これは、アメリカの約55年、イギリスの約77年等、世界と比べてもとても短いといえるようです。人は長生きになっているのに生活の場である住宅は短命。現状の30年で建替えを基本に考えると、90才まで生きるには3回の建て替えが必要という計算になってしまいます。そこで、生涯の生活設計も長寿命化をベースとして考え直すことが必要になってきているのです。
このような背景から、新聞をはじめ様々なメディアに取り上げられるようになったのが住宅の長寿命化、200年住むことができる住宅「200年住宅」なのです。
寿命30年を200年へ
長寿国の住宅の寿命は?通常、一生に一度の買い物とされる住宅の購入。30年かけてローンを完済した時には、取り壊し、または資産価値ゼロという状況では、私たちが安全で安心な生活の維持も困難になります。もし、今暮らしている家が200年使える物ならば、経済的なゆとりも生まれるでしょう。政府の試算によれば、200年住宅を50年に1回建て替えを行なう従来型の住宅と比較すると、当初のコストは増加するものの、建て替えコストは不要となり、維持管理コストも軽減されます。共同住宅について200年間に必要となる費用を試算した場合、住宅の建設・取得・維持管理のための負担を現状の2/3程度に縮減が可能ということになるようです。
では、どうしたら30年しかもたない住宅を200年維持させることが可能になるのでしょうか?
それは、補修工事をしながら建物を長持ちさせるということ。建物は、スケルトンと呼ばれる構造躯体と、インフィルと呼ばれる内装・設備からできていますが、このスケルトンとインフィルが分離され、それぞれを必要な時に補修することで長持ちさせるということのようです。住宅生産団体連合会が提言している200年住宅は、放っておいても長もちするような家を建設するということではなく、20年ごとに維持補修していくことを前提にしています。
このような200年住宅の具体的なイメージとしては、「スケルトンとインフィルが分離され、スケルトンは耐久性・耐震性、インフィルは可動性を確保していること」「次世代に引き継ぐにふさわしい住宅の質(省エネルギー性能、バリアフリー性能)が確保されていること」「計画的な維持管理(点検、補修、交換等)が行われること」「周辺のまちなみとの調和が考慮されていること」が挙げられています。これらの具体的なテーマをクリアした住宅をその時々で補修し、長持ちさせながら共存していくのが200年住宅なのです。
ECOにもつながる長寿住宅
200年住宅が実現すれば、住宅の建設・取得・維持管理のための国民の負担が軽減することが予測されている他に、産業廃棄物が年間約1000万t(東京ドーム5個分の容積)削減され、建設時や住宅使用時の省エネルギー性能の向上によりC02削減にもつながるといわれています。さらに、新築が減ることで、新築時に必要な資源の節約にもなり、環境問題という面でも影響は大きくなると考えられます。
住宅選びが資源の節約につながる地球温暖化・環境破壊が叫ばれる中、レジ袋の削減や日常生活の中でのECOを心がける人が増え続ける中で、住宅建材や産業廃棄物といったおおきなテーマからもECOに目を向けられるのが200年住宅の大きな利点でもあります。
今あるものをいかに長く大切に維持しながら共存していくのか、環境配慮を含め、短期的ではない住宅との長期にわたる付き合い方が、ECOにつながり、私たちの生活の質の向上、そして経済的負担の軽減にもつながるというのが、200年住宅構想なのです。
近い将来、200年住宅の実現を願いながら、まずは今できること、家を傷めないように結露対策をする、無用なCO2排出は避けるといった小さなECOから環境配慮を始め、1年でも長く住宅が長持ちする環境づくりをすることも大切なようです。
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