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マンション選びのポイント

第5回 現在と将来の環境の目安となる「用途地域」とは

前回のコラム「チラシ・広告の見方」で、用途地域という項目が出てきました。聞き慣れない用語かもしれませんが、環境の目安となるポイントなので内容を知っておきましょう。

12種類の用途地域で建物の大きさを規制

マンションの広告などを見ていると、小さな文字で「第一種中高層住居専用地域」「近隣商業地域」「準工業地域」などと書かれていることがあります。これは用途地域と呼ばれるもので、建築基準法に基づいて各自治体が地域ごとに指定することになっています。

用途地域は12種類に分かれていて、それぞれ建ぺい率や容積率で建てられる建物の大きさが規制されます。ここで建ぺい率とは「敷地面積に占める建築面積(ほぼ1階部分の床面積と同じ)の割合」のこと。また容積率は「敷地面積に占める延べ床面積の割合」のことです。

用途地域によって容積率の上限が変わる

例えば敷地面積が1000m2で建ぺい率が60%、容積率が200%の土地の場合、建築面積は1000m2の60%で600m2まで、延べ床面積は1000m2の200%で2000m2までの建物が建てられます。1階部分の床面積が600m2とすると「2000m2÷600m2=3.33」なので、各階の床面積が同じなら3階建ての建物が建つ計算です。

これらの建ぺい率や容積率は地域ごとに自治体が決めますが、用途地域による上限と下限が法律で以下の表のように決められています。建ぺい率は上限が100%なので地域による差はさほどでもありませんが、容積率は住居系の50%から商業系では1000%までと、大きな開きがあります。同じ広さの土地でも容積率が高ければ大きな建物が建つので、街並みや環境も用途地域によってガラリと変わるのです。

■用途地域の種類と規制内容
  用途地域 建ぺい率 容積率 規制内容
住居系 第一種低層住居専用地域 30%、40%、50%、60% 50%、60%、80%、100%、150%、200% 低層住宅を中心とした住宅街の地域
第二種低層住居専用地域 低層住宅中心だが小規模な店舗も立地できる地域
第一種中高層住居専用地域 100%、150%、200%、300% 中高層住宅を中心とした住宅街の地域
第二種中高層住居専用地域 中高層住宅中心だが中小規模の店舗やオフィスも立地できる地域
第一種居住地域 60% 200%、300%、400% 住宅中心だが中規模の店舗やオフィス、ホテルも立地できる地域
第二種居住地域 住宅中心だが店舗、オフィス、ホテル、パチンコ店も立地できる地域
準居住地域 道路の沿道で自動車修理工場やファミリーレストランなども混在している地域
商業系 近接商業地域 80% 商店街や小規模な工場などと住宅が混在している地域
商業地域 200%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、900%、1000% 駅周辺など店舗やオフィスが中心となる地域
工業系 準工業地域 60% 200%、300%、400% 軽工業の工場やマンションなどが混在している地域
工業地域 工場が中心となる地域。マンションも建てられる
工業専門地域 30%、40%、50%、60% コンビナートなど工場専用の地域。住宅は建てられない

現地に行く前に街並みがイメージできる

用途地域内では建物の大きさだけでなく、用途も制限されます。例えば工業地域でも住宅や店舗は建てられますが、学校や病院などは建てられません。また第一種低層住居専用地域は低層住宅や小規模な店舗などを建てることを想定しており、大規模なマンションやオフィスビルなどは原則として建てられない決まりです。

これらの用途地域を確認すると、現地に行く前に街並みがある程度イメージできます。低層住居専用地域なら周囲に高い建物がない住宅街が思い浮かびますし、商業地域は駅前などの大きな店舗やビルが立ち並ぶ風景が想像されます。準工業地域や工業地域だと、周りに工場や倉庫が建っている可能性が高いでしょう。

容積率の高い空き地には高い建物が建ちやすい

最近は企業のリストラで工場跡地などに大規模なマンションが建てられるケースが増えています。大規模物件の場合は敷地内に植栽が多く植えられるなど住環境に配慮していることが多いのですが、敷地を一歩出ると街並みが一変することもあるのです。

また、中高層住居専用地域などで隣に空き地がある場合、あとから高層マンションなどが建てられて日照に影響が出ることも考えられます。現状の環境や将来の街並みを考えるうえで、用途地域の確認は欠かせません。

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